生まれた子犬にとって、「社会化期」という、
あなたと一生をともにするためのとても大切な準備期間があります。
子犬の成長過程は、
1.新生時期:0~2週
2.移行期:~3週
3.社会化期:3~12週
4.少年期:4ヵ月~1年
の4段階に分類されますが、この中でも特に大事な社会化期、
この時期に子犬たちは親犬や兄弟と十分に遊んだり、甘えたりしながら、
成犬になってからの他の犬や人間と上手に付き合っていく能力を自然に学び、育成することになります。
子犬の生涯を決めるほど重要な時期なのですね。
この社会化期のスタートが生後21日目からとなり、終わりが約3ヵ月です。
この大切な時期の早期に親犬から引き離されたり、
人間との接触のない子犬は、
あなたの良きパートナーになる可能性が低くなってしまい、「問題行動」をとる可能性が高くなります。
例えば、
1.噛み付く、ムダ吠えなどが多い。
2.遊んでもらったり、散歩したりなどの人間との接触が不十分な場合、
飼い主や仲間から孤立し非社会的になってしまう。
3.依存心の強い子になり社会に適合できず、情緒不安定になる。
また、自分を人間と思い込み、社会化が上手くできない性格になり、
他の犬に攻撃的になったり、極端に物怖じしたり、性的にも不能になることもある。
というようなことが起こりやすくなります。
一方、母犬や兄弟犬から引き離すのが遅れると今度は犬仲間におぼれ、
人間との連帯感が持てず、しつけや訓練がむずかしい犬になってしまいます。
犬は群れを形成する動物ですから、人間にとってよい伴侶にもなり、
家族の一員として一緒にいることで幸せになれるのです。
これは、3ヵ月齢までの大切な社会化期で決まってしまいます。
この社会化期に子犬は親犬や飼い主から、様々な遊びや刺激、触れ合いを通じて、
群れの中のルールや社会ルールを学習して行きます。
これらを知っていると子犬を迎えてからの育て方、付き合い方がおおよそイメージが沸くでしょう。
いかに飼育環境が重要か判ると思います。
この社会化期段階の重要性から考えると、
ペットショップなどに陳列されている子犬が、
いつ頃から陳列されているのかが重要なポイント
となります。
生体市場であるオークションから仕入れた子犬は、
往々にして、この大切な時期を正しく過ごせていない
ケースが考えられます。
現在のペット流通・販売の現状としては、子犬がかなり幼い時期に犬のオークションにかけられたり、
売買されたりして、店頭に展示されています。
これでは、「社会化期」をうまく過ごすことができないだけでなく、
抵抗力の弱い生後間もない子犬には、感染症に感染する危険性が高まったり、
何回も繰り返される移動や多くの人の目にさらされるストレスなどから
心身に異常をきたす危険性が高まります。
ですから、単に感染症の問題ばかりでなく、この視点を持って購入していただきたいと思います。
欧米で陳列販売を法規制で禁止し、かつ大半が90日齢経過後の販売になっているのは、
感染症の防止と、子犬の社会化期の重要性からです。