日本やアメリカではテリアグループに含められるが、ミニチュアシュナウザーは、テリアの血統はまったく入っていません。
テリア種は普通イギリス原産ですが、
ミニチュアシュナウザーはドイツが原産国です。
毛質が剛毛でトリミングが必要なことや、
小型獣の狩猟を目的としていたなど、テリアに近い性質を持ちます。
ミニチュアシュナウザーはドイツで牧羊犬として、
スタンダードシュナウザーと、アッフェンピンシャー、
ミニチュアピンシャーとの異種交配によって作出されました。
通常犬種の小型化は小型の個体を選び、選択繁殖によって行われますが、ミニチュアシュナウザーは、外見の似通ったアッフェンピンシャーとの異種交配を行い、その後選択繁殖によって小型化を図っています。
このため、シュナを長毛のピンシャーと呼んでいた時代もあります。
日本には、ミニチュアシュナウザーは昭和30年代にアメリカから輸入され、テリアグループの中では最も人気が高く、「最良の家庭犬」ともいわれています。
口髭をドイツ語でシュナウツと言い、犬種名はこれに由来します。
シュナウザーのサイズ別3犬種(ジャイアント、スタンダード、ミニチュア)の中で最も小さく新しい犬種です。
ミニシュナはもともと農場に出没するネズミを捕る用途で作出されました。
シュナウの髭や眉毛は追いつめたネズミの反撃から顔を守るためのものです。
ミニチュアシュナウザーは、長い口ひげとまゆ毛を持ち、カットの仕方で思慮深そうにも、かっこよくも見せることのできる、とてもスタイリッシュなわんちゃんです。
日本ではここ数年常に人気犬種トップ10位以内に入っています。
ミニシュナの毛色はソルト&ペッパー、ブラック、ブラック&シルバーがありますが、
近年ホワイトのミニチュアシュナウザーも現われています。
他にも、ブラック&ホワイト、、レバー、レバー&タン、レバー&ホワイト、レバー&ペッパー、
パーティー、ウィートンなどの毛色のシュナもいます。
ウルフスピッツから受け継いだといわれるソルト&ペッパーのミニシュナの被毛色は、異なる色の毛が混ざって生えているのではなく、1本の毛が明暗の縞模様(霜降り)をなしています。
被毛は、ハードコートのアウターコートにアンダーコートを持つ二ダブルコートですが、
抜け毛、換毛はほとんどありませんので、アレルギー体質の方も一緒に生活しやすい犬種でもあります。
ミニシュナの体型は、体高が体長に等しいスクェア型で、シュナウザー3犬種の中で最も洗練された完成型です。
頑健で機敏、筋肉が良く発達しています。
自然の状態では耳は垂れているが断耳して立耳にしたり、尾も出生直後に断尾されたりすることがありますが、近年断耳や断尾を禁止している国も増え、今では垂れ耳に長いしっぽを持つシュナウザーも増えてきました。
ミニシュナは子犬の頃から、テリアグループの中では穏やかな性格ですが、自己主張が強く向こう見ずな面もあります。
飼い主に対する忠誠心は非常に高い反面、見ず知らずの人に対しては警戒心が強い傾向があります。
シュナの明朗な気質の上、頑健で機敏です。慎重さ、訓練性、勇気・忠誠心、注意力、 天候への耐久力とも高く、世界的に人気を集めています。
ドイツではシュナを「人間の頭脳を持った犬」ともいわれています。
ミニシュナは子犬の頃から、元気で活発な反面、甘えん坊で人に頼ろうとすることもあります。
ブリーダーも子犬販売店もこの点に注意し、飼育していきます。
一般的にテリアは支配欲が強く、他の動物に対しては攻撃的であることが多いのですが、ミニチュアシュナウザーの性格はいたって穏やかで他のペットとの相性も悪くはありません。
ミニチュアシュナウザーは人の言うことをよく理解し、従順であるため、小さな子供とも仲良くなることができるでしょう。
また、時間通りの規則正しい生活を好みます。
ミニチュアシュナウザーは、ダブルコートにもかかわらずほとんど抜け毛がありません。また匂いも非常に少なく、犬アレルギーの方や、小さなお子様がいらっしゃるご家庭で飼いやすい犬種でもあります。
シュナウの被毛の日常のお手入れでは、ブリーダーも子犬販売店もスリッカーブラシなどで毎日ブラッシングします。
口ひげ、まゆ毛や、おなか回りの長い毛は、クシを使ってよくとかしてあげましょう。
食事の後には口ひげが汚れるので必ず食べかすをふき取ることも必要です。
シュナのシャンプーは、ブリーダーも子犬販売店も月に1度~2度の頻度でおこないます。
犬用シャンプーを使用し、皮膚病予防のためシャンプー剤はしっかりと洗い流し、乾燥も完全におこないます。
1~2カ月に1回の頻度で、トリミング、クリッピング(バリカンカット)をお勧めします。
ミニチュアシュナウザーは、ストリッピングという毛抜きをすることもありますが、ドッグショーなどに参加する目的でなければ必要ありません。
ただ、ソルト&ペッパーや、ブラック系の被毛の子は、背中、頭の毛をストリッピングをすることにより、毛を硬くし、退色を防げます。
ミニシュナは、子犬の頃から抜け毛が少なく、匂いもほとんどありませんのでアレルギー体質の方との室内での生活にも最適ですが、被毛が密生していて高温多湿が苦手です。
夏場はブリーダーも子犬販売店も温湿度管理をして快適な環境を整えています。
シュナの運動は散歩をしたり、庭で遊ばせてあげたりすれば十分です。屋外での環境、飼育に堪えられる体をしていますが、できれば室内で、また家族のそばで過ごさせるのがよいでしょう。
ミニシュナは子犬の時から自我が強いので、ブリーダーも子犬販売店も、信頼関係をしっかりと構築し
主従関係を理解させ、ストレスをため込まないようにし、無駄吠えをしない子に育てます。
また、甘やかしているとわがままになったり、噛み癖が出ることもあります。
また、放置が長いと臆病になったり、ストレスから攻撃的になることもあります。
一緒に遊ぶ時間をきちんと取り、コミュニケーションを図ってください。
ミニシュアシュナウザーは、規則正しい生活を好みますので、ルーズな生活や大騒ぎは苦手です。
このことがストレスになることも多いので、よく理解して生活を組み立ててあげましょう。
ミニシュナは子犬の頃から元気で活発な性格ですが、食欲も旺盛なので、やや太りやすい傾向にあります。
毎日の食事の量と運動量のバランスを考えて、ブリーダーも子犬販売店も飼育していきます。
ミニチュアシュナウザーは概して健康な犬種ですが、遺伝的に発症の可能性が高い疾患があります。
その一つに、網膜萎縮症、若年性白内障等、眼科疾患を発症する可能性が高い傾向がありますので、ブリーダー、子犬販売店とも、定期検診の際には眼の観察をよくしてもらうようにします。
また、遺伝的疾患の一つに「尿路結石症」があります。
尿の中の成分が結晶化し、それが次第に大きくなることで尿の通過を悪くしたり、膀胱炎などを引き起こすことがあります。
運動不足や肥満、ストレスなども発症促進の要因となります。
もし、ミニシュナが頻繁にトイレに行くようになったり、血尿や排尿困難が認められるようならすぐに病院で見てもらう必要があります。
その他ミニシュナのかかりやすい病気としては、停留睾丸(成犬になっても雄犬の睾丸が外に降りてこない)、レッグペルテス(大腿骨の骨頭が変形、壊死してしまう)などがありますので、初期発見のためにも、日々の観察、コミュニケーションを怠りなくおこなってください。
ミニチュアシュナウザーは、抜け毛がほとんどなく、体臭も少ない、すなわち皮屑(フケのようなもの)や、脂漏(皮脂の分泌)が少ない犬種です。
他の犬種と比較し、ミニチュアシュナウザーは、アレルギーを引き起こす原因であるアレルゲンの発生が少ないことから、これまで犬との生活をしたくても、犬アレルギー体質で、わんちゃんとの生活を躊躇したり、諦めていた方々に、是非お薦めしたい犬種です。
症状がより深刻な方も、個別にご相談させてください。
詳しくは、こちらをご覧ください。
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